Feezback
個人口座の銀行手数料をどうすれば節約できるか?金融の仕組に関する専門家でない個人でも、FeezBackを利用すれば簡単に節約が可能になる。FeezBackは個人口座のデータをデジタル化することが義務付けられた世界の金融レギュレーションの動きに対応し、データの蓄積を、対個人の正確でわかりやすいファイナンシャルアドバイスへと変換することに成功した。
Feezbackは2016年に設立されたイスラエルのBondが開発した個人用ファイナンシャルアドバイスアプリ。レギュレーションを専門とするケレン・ツーケルマン(CEO) と、イスラエル軍のエリート、8200部隊出身のエオール・サラフ(CTO)の2人によって設立された。世界でも有力とされているテックスターのアクセラレータプログラムに選ばれ、バークレイズと共同の投資を受けた。また、イスラエルイノベーションオーソリティーの2018年度主要技術開発スタートアップとしても認定され投資を受けている。
イスラエルを含むヨーロッパ、アメリカでは2年以上前から個人口座の電子データ化が銀行に義務付けられており、一般の顧客も銀行口座の電子リポートを簡単に受け取ることができる。FeezBackはそのデータの蓄積により、銀行手数料やローン、積立金の利率などが解析され、それぞれの家計に最も適したファイナンシャルプランをサジェストする仕組み。サービスはチャットがモデルとなっていて、銀行から電子データを受けとる方法といった初歩的な質問から始まり、一歩一歩、だれにでもわかる言葉で説明してくれる。隅々まで行き届いた懇切丁寧な導きで、ほとんど受動態のままサービスを受け、それを利用することが可能である。受け取ったデータを活用するために、銀行や金融業界の専門家を相手に、いつどこでだれにどのような形で問い合わせ、何をどう言って頼めばよいのか、そこまで踏み込んだサービスはfeezBackの強みであろう。
FeezBackは金融機関からの手数料を主な収入源としてるため、システム利用者は無料でサービスを受けることができる。金融機関はより良いプランをシステム利用者に提示することによってFeezBack利用者からの顧客獲得の可能性が高まるという、好循環が構築されているのである。
CEOのケレン氏は言う。「次なる資金調達ではイスラエルでの顧客の拡大、ヨーロッパへの進出を予定しています。」物静かで落ち着いた雰囲気のケレン氏は、サービス利用者を「feezbackコミュニティーの一員」と呼び、テクノロジーとコミュニティーの力で、銀行に健全な競争を促すことが自分たちのビジョンである、とコミュニティーに呼びかける。
Bond社の専門性と丁寧さは、銀行サービス改善革命の第一歩がFeezzBackコミュニティーから始まると信じさせるに足るものであった。
中島直美
