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Media Forest は、テレビ、ラジオ、インターネットで放送された情報を、リアルタイムでデータ化する技術を開発したイスラエルのスタートアップ。流され続ける膨大な情報は、データ化することによって正確な解析が可能となり、音楽業界、政治家、マーケットリサーチャーや商品開発者など、多方面にわたる顧客を獲得。イスラエルだけにとどまらず、イギリス、ルーマニア、ナイジェリアにも進出を果たした。
Media Forest は、2005年にグスタボ、ヨアブ、ニーブの3人によって創業された。3人は好きな音楽を通じて高校時代に知り合った仲間同士。ラジオで流れた音楽が何という曲だったかで議論になったことが、彼らのサービスを生み出すきっかけとなった。
Media Forestのデータ解析技術を使えば、どの歌がどの国[1]のどの局で、いつ、何秒間放送されたかというデータを、一瞬にして入手することができる。現在では、イスラエルの多くの音楽業界関係者がMedia Forestの顧客となり、自身の著作権を守っている。
また、放送された言葉をその場で自動的に書き起す技術を開発し、2017年からこれをモニタリングシステムに追加。(現在はヘブライ語、英語のみ。)検索したい言葉を打ち込むだけで、その言葉が放送されたテレビ/ラジオ局名や時刻、回数が瞬時にスキャンされる。もちろんその放送を再生して視聴することも可能だ。他の競合会社が人手に頼ってテキストを書き起していることに比較すると、Media Forest 社の大いなるアドバンテージである。
受信するTVチャンネルおよびラジオ放送局を1日24時間モニタリングしているこのシステムは、広告業界にも需要が高く、また、緊急時の警報なども放送されるままにモニタリングされているため、イスラエル民間防衛軍(東日本大震災の際に日本で救助活動を行った組織)もMedia Forestのサービスを利用している顧客である。国民の声をモニタリングしたい政治家、市場の動向を解析したいリサーチャー、流行の動きをいち早くキャッチしたい芸能人など、顧客の幅は広い。
現在は、新たな言語圏への市場拡大のための資金を調達中。スペインや南アメリカなど、スペイン語の書起こしサービスは2018年前期に開始予定。アジア圏ではすでに韓国との技術提携が始まり、韓国語の書き起し技術への新たな挑戦が開始された。
CEOのグスタボ氏は言う。「言葉の書き起し技術以外は、世界のどこでもすぐに利用が可能である。書き起し技術は言語にもよるが、半年もあれば一定の言語圏でのサービス提供が可能であろう。日本の皆さんにも、ぜひこのサービスを利用していただきたい。」
アルゼンチン出身のグスタボ氏をはじめ、社員はみんな音楽好き。事務所にはコンピュータ機器がずらりと並んでいるが、皆の明るい声が風通し良く、会社には社員同士の信頼感と技術に対する誇りが満ちていた。
[1] 現在モニタリングされている国は、英、米、独、豪など合計15か国。